敷地は豊中市の瀟洒な木造集宅が連なる街区にある。
時とともに、美しく年齢を重ねたある種の「品格」が漂う町並みである。
新興住宅街には望むべくもない「味わい」がこの町並みには残っていた。美しく老けていく家を作りたいと思った。
家の構えも壁面後退ギリギリに建てるにではなく、敷地奥行きの三分の一を思い切って後退させ、前庭を設けて街路にゆとりを与えた。
コの字型平面にして住宅の「ハレ」と「ケ」を東西に分け、その間に木製デッキのある中庭を設けた。二階にはお子さんと愛犬の遊び場である「外室」を作った。
外気を感じられるが屋根があって雨のしのげる部屋であり、外部と内部中間の領域である。
こうした中庭や外室は友人や近隣とのお付き合いにも内部の延長として使われ、その話し声や光の気配が家構えに奥行きを与えてくれるであろう。
敷地面積:274.20㎡
建築面積:111.42㎡
延床面積:169.92㎡
構造:RC造
規模:2階