敷地は、世界遺産である東寺の近く、比較的古い街並みの残る界隈にある。
周辺環境をふまえ、クライアントからは、本家らしい風格を持ちつつ、できるだけこの地域に相応しい建物とするよう要望が挙げられた。
そこで、外観は真壁表現とし、木格子や杉板塀、和瓦や銅板屋根などの伝統的なモチーフや素材によって、落ち着きのある和風の佇まいとした。
内部は、1Fをパブリックなスペース、2Fをプライベートなスペースで構成し、これらを中央の小屋組みまで吹き抜けた空間により繋いでいる。
家族が集まるリビングを1Fの中心に据え、まわりに、食堂・台所・水まわり・和室などを配置して、回遊性を持たせた。また、空間の連続性や見通しの良さにも配慮し、室を間仕切る建具には主に引戸を用いて、引戸の開閉により、季節に応じて空間の大きさが調節できるようにした。
敷地の南側には、庭と半屋外的なテラスを設け、居間-食堂-テラスへの伸びやかな繋がりも意識し、室内にいながら外の気配を感じられるよう配慮している。
敷地面積 :256.42㎡
建築面積 :143.86㎡
延床面積 :228.46㎡
構造:木造
規模:地上2F